西日本ジェイアールバスさんで毎年行われている、プロの運転士・整備士が技術を競う「運転競技会」の一般公開が行われました。
この競技会の高速線部門と一般線部門の優勝者は、全国JRバスグループ各社の優勝者が頂点を目指す「JRバスグループ全国運転競技会」へ出場し、全国ナンバーワンを目指す事になります。
一般の方に公開される事が非常に珍しい貴重なイベントで、プロの技を目の前で見てきました!
西日本ジェイアールバス「運転競技会」
バス運転手さんといえば「バスを運転する仕事」なのですが、仕事はバスの運転だけではありません。
乗務前のバスの点検、点呼、接客業務など、私たちが見た事のない業務もたくさんあります。
そして、安全に対して高い意識を持ったプロとして日々業務に取り組まれています。
そのプロの力を全国で競うというイベントが今回の「運転競技会」になります。
一部のみの公開だったのですが、非常に濃厚です。でも見てください。バス運転手さんってすごいんですから。
競技一覧
筆記試験
(制限時間30分)
◆一般線・高速線運転士
旅客自動車運送事業運輸規則、道路交通法、運送約款、車両構造など
◆整備士
道路運送車両法、車両装置、車両故障報告、自動車点検基準など
日常点検
「スピーディに、かつ正確に点検する姿がとてもカッコイイ!」
(制限時間8分)
・点検個所
一、エンジンルーム内
二、タイヤ周り(左後輪)
三、車体外観(左側)
※異常箇所発見時は審査員に報告後、点検を継続する
▼審査のポイント▼
一、エンジンルーム内の点検を確実に実施しているか
二、タイヤの点検を確実に実施しているか
三、点検ハンマーを正しく取り扱っているかなど
点呼
(制限時間5分)
・始業点呼実施手順
一、運転士の「出発点呼願います」(敬礼)の発声で競技開始
二、服装の整正(氏名札、徽章、ネクタイ、制服ボタン、靴等を確認する)
三、氏名・行路・便名の報告(〇〇、只今より〇〇行路××便に乗務します)
四、車両状態の報告(車両は〇〇号車、日常点検の結果異常ありません)
五、運行経路等の報告(運行表で経路〇〇で、休憩箇所は〇〇です)
六、携帯電話の収納確認(携帯電話は電源を切り、鞄に収納しています)
七、伝達・注意事項の確認(伝達事項は○○で、確認しています)
八、道路状況の確認(運行管理者の指示に対して、はい、分かりました)
九、最重点遵守事項等の独唱(最重点遵守事項は〇〇です)
十、時計の整正(時計を整正します、只今、〇〇時〇〇分〇〇秒です)
十一、運転士の「安全運転に徹し無事故で行ってきます」(敬礼)の安全運転表明で競技終了
▼審査のポイント▼
一、点呼で日常点検時の異常箇所が報告されているか
二、点呼時の服装・態度・声の大きさが良好であるかなど
路上運転(一般線・高速線)
方向転換
「ほんの数センチの調整で、切返しの回数に繋がり、制限時間との戦いに。」
(制限時間8分)
一、出入口から進入し、競技場内で転回後、出入口から退出(進入後、左右どちらから転回してもOK)
二、境界線との接触は3回までは減点とし、4回目の接触で競技中止
三、競技開始後5分経過時点で減点開始、8分経過で競技中止
四、切返しの制限回数は無いが、据え切りは減点対象
※バックモニターの確認はOK
▼審査のポイント▼
一、正しい運転姿勢、ハンドル・シートが適正な位置(高低・前後)になっているか
二、空ぶかし・半クラッチ・据え切り・境界線への接触・ショックの無い運転が出来ているかなど
前進・後退スラローム
(制限時間7分)
一、スタート地点から折り返し地点までは前進走行、折り返し地点からゴール地点までは後退走行(スラロームは左右どちらから進入してもOK)
二、カラーコーンとの接触は3回までは減点とし、4回目の接触で競技中止
三、切返し回数は5回までとし、6回目の切返しで競技中止
四、競技開始後5分経過時点で減点開始、7分経過で競技中止
※バックモニターの確認はOK
▼審査のポイント▼
一、正しい運転姿勢、ハンドル・シートが適正な位置(高低・前後)になっているか
二、空ぶかし・半クラッチ・据え切り・境界線への接触・ショックの無い運転が出来ているかなど
車椅子競技/車載端末機の操作・視覚障がい者の対応
[一般線の部](制限時間10分)
車椅子ご利用のお客様の乗降対応
▼審査のポイント▼
一、車椅子移動の説明(お客様と同じ目線での会話)
二、スロープ設置(車椅子を移動後、サイドブレーキ作動)
三、乗車の声掛け(前向き(前進)移動の説明)
四、乗車(車椅子に体を密着させてスロープを上る)
五、移動後(車椅子のサイドブレーキ作動)
六、降車の声掛け(後向き(後退)降車の説明)
七、降車(車椅子を体で支えながら、ゆっくりスロープを下る)
八、スロープ収納
[高速線の部](制限時間10分)
視覚障がいのお客様に乗車券の発券及びお座席までの誘導
▼審査のポイント▼
一、改札前の社外アナウンス(お客様に分かりやすい案内ができているか)
二、予約のない割引乗車券の発券(スムーズに車載端末機を操作できているか)
三、お座席までの誘導(お客様に肘を掴んでもらい、半歩前を歩く誘導ができているか)
四、危険個所の声掛け(進路・高さ・階段数の声掛けができているか)
五、降車時の車外アナウンス(お客様に分かりやすい案内ができているか)
故障探究
スキャンツール(外部診断機)を使用したエンジンの点検(制限時15分)
一、エンジンの不具合データの読み取り
二、現在・過去に発生した故障の読み取り
※スキャンツールとは
車両に接続しコンピューターと様々な通信を行い、解析や整備を行うための情報を表示できる機器
▼審査のポイント▼
一、点検作業時に安全の確保を行っているか
二、スキャンツールの的確な操作と習熟度
三、エンジン各センサーからの正確な数値の読み取りなど
定期点検を想定したエンジンンルーム点検(故障原因の発券)(制限時15分)
一、エンジンルーム内各部を目視・触診で点検
二、エンジンルーム内の接続箇所をハンマーによる打音点検
※異常箇所発見時は審査員に報告後、点検を継続する
▼審査のポイント▼
一、点検作業時に安全の確保を行っているか
二、点検ハンマーを正しく取り扱っているか
三、キビキビした動作で点検作業を行っているかなど
撮影していると全てが緊張感漂う写真なのですが・・。にしばくん。のおかげで頬が緩みます。
生の「運転競技会」は西日本ジェイアールバスの本気が見えた
この日、とても暑く屋根のない駐車場で午前・午後と審査が行われていたのですが、審査員の方も出場しているバス運転手さんも表情は真剣です。
審査場まで走っていったり、一般のお客様が競技を見ている時は邪魔にならないように後ろを通ったり・・。
会場中が緊張に包まれているのですが、それぞれのセクションで審査が終わったタイミングで、同僚の方からの拍手や「おつかれさま」の声が聞こえてきました。
緊張が解けて、みなさんの姿を発見して、ホッとした表情を見せる運転手さんの顔がとても印象に残っています!
それぞれの営業所の代表として戦っているという責任感や、みなさんの絆の強さを感じる事が出来るイベントでした。
競技会の横では楽しいバスまつりが開催されてたので、そちらも次回ご紹介!
運転教習車や2階建てバスのアストロメガが登場しました。
お読み頂きありがとうございます。
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